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2008年9月23日 (火)

高額サリバン先生

人間のやることに「絶対」ということは、ない、と、つくづく思う。

2008919f3年くらい前に、うちの近所に≪しちだチャイルドアカデミー≫という幼児教育の教室ができた。

七海が生まれる前だったと思うけれど、ものすごく反発を覚えた。「なんでこんな教室に子供をやるかなぁ。年端もいかない子供に、右脳教育だか左脳教育だか知らないけど、そんなことやらせて、子供が健全に成長するんでしょうかねぇ。親の自己満足のために、子供がかわいそうよねぇ。」

「私だったら、絶対、子供をこんなところにやらないなぁ、絶対に!」

・・・って、思ってたのにねぇ。

「溺れる者は藁をもつかむ」というのでしょうか。難航する七海の「サリバン先生」探しは、ついに私をして≪しちだチャイルドアカデミー≫の門を叩かせしめたのでありました。

最近の七海は、よく「おしゃべり」をする。急にスイッチが入ったように、こちらには意味不明の言葉を延々と繰り出し続けることがある。身振り手振りも入り、何やら状況説明らしきものをしているようではある。

先日聞き取った言葉は、たとえば「チェジュとうのチェジウがチューしてキュー、キュー、キユゥー」という感じである(^_^;)

保育園でも「最近のななみちゃんは、とてもよくお話をしてくれますよ」と言われ、ここはひとつ、普通の子なら、自分で獲得する発話能力を、七海の場合、獲得できるように、後押ししてやらねばなるまい、と奔走したのでした。

くだんの教室で、発話能力を開発してくれるわけではないのだが、「障害児コース」というのがあったのが決め手となり、体験レッスンを受けに行った。

「障害児コース」と言っても、結局、普通の幼児コースでやる内容と同じで、ただ、それをマンツーマンでやる、というだけのことだった。

「うーん、これって、どうなんでしょう」と思わなくもなかったが、右脳教育のために繰り出されるさまざまなカードやグッズ、お絵描きにお歌という、飽きさせないプログラムに、七海が大喜びしたため、通うことにした。

2008919eウリは、右脳を刺激する「フラッシュカード」である。1秒間に2枚の割合で、カードを読み上げながら次々とめくっていくのである。たとえば「キリン、ゾウ、ライオン、ウサギ・・・」という風に。カードには動物の絵が書いてあったり、動物の名前がカタカナで書いてあったり、そういうのがランダムに目に飛び込んでくる。見ていなくても、それを耳で聞いているだけでも、いい刺激になるそうなんだが。

2008919aしかし、七海は、じっと座ってそれを見ているようなタイプでは、ない。

端に椅子から降りて、他のカードの束を持ち出してばらまき始める。先生はそれにもめげずに、「ブルドーザー、トラクター、救急車、消防車、レッカー車・・」と、カードをめくり続けている。

2008919d国旗のカードを持ち出した七海は、そのまま先生に背を向けて「自習」である。

← 七海:「ふむ、ふむ、これは朝鮮民主主義人民共和国だな。」

なぜ。 なぜ、数ある国旗の中から、朝鮮民主主義人民共和国の国旗が選ばれているの。

一瞬ぎょっとした母であったが、地域別あいうえお順に10枚ずつ束があり、たまたまこの束は、「カンボジア、キプロス、クウェート、サウジアラビア、シリア、シンガポール、スリランカ、タイ王国、大韓民国、朝鮮民主主義人民共和国」という束だった、ということらしい。

2008919bその後も、「一晩、二晩、三晩・・・」と一枚ずつ広げて見せてくれるカードあり、四字熟語のカードあり。しかし、一向に集中しない七海。

「先生、こんなんで、いいんでしょうかねぇ」

「お母さん、みんな初めは、こんなもんですよ。やっぱり、3か月は見ていただかないと」

はー、3か月ですか。・・・でも、なんだか、先生に気の毒で。

2008919cやっと食いついてきたのは、積み木遊びである。机に座ってやらせることをあきらめた先生は、七海の気に入る場所まで降りてきて、一緒に積み木遊びをやってくれた。先生の指示通り、色別に積み上げることができた。やれやれ。

お片付けは得意。先生に言われる前に、さっさと積み木をかごに入れ始めた。

「すごーい、ななみちゃん。上手にお片付けできたねぇ! えらい!」

先生はことあるごとに七海をほめる。「ほめて育てる」の極意はここでも健在。

「ななみちゃん、今朝は何を食べましたかぁ?」

七海に向って尋ねる先生。手元の積み木で遊んでいる七海。さりげなく答えを促されて答える私。

「えーと、パンを2,3口と、ラコールを少々。プリンも少し。この子、ほんとに、全然食べなくて、こまって・・」

「わー、えらい、ななみちゃん!パンを2口も食べたんだね!ラコールも飲んだんだね!プリンも食べたんだね!よくがんばったね! 明日はパンを3口食べられるかな。ラコールも、もう少し飲めるようになるかな!」

はー、いわゆる「プラス思考」っすね、せんせい。
こりぁー、かなり、母も、「成長」せねば、なるまいなぁ~・・・。

・・・てな感じで、目まぐるしく、いろんなプログラムを詰め込んで、約50分のレッスンが終わる。この「いろんなプログラム」を駆け足、早口、で詰め込んで与えるのが、脳の刺激にいいそうなのだ。

週1回、50分のプログラム。これで1回ウン千円である。「どんだけぇ~」って、目を回すほどの高額である。

効果のほどはどうなんだか、ですが、結局こうやって、親は子どもを「お教室」にやり、習い事をさせ、「お受験」をさせ、それぞれに「できる限りのことをしてやりたい」と思って奔走するわけですね。

これが「親心」というものでしょうか。あるいは「親の弱み」?

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コメント

おひさです~♪

本当のサリバン先生はどなたなのか・・・試行錯誤の
日々がまだまだ続かれることと思います。

人が変わるのは自分の内的な力だと思います。
でも・・・我が身を振り返ってみると、
その変化には常に「契機」があって、
その「契機」をもたらしてくれるのは
いつも「ほかのひと」でした。
日常生活の外からある日突然現れる、
非日常的「ほかのひと」。

ななちゃんにもきっと、
宿命的な「ほかのひと」との出逢いが訪れて
彼女の内側の力が引き出されるのでしょう。
もはや来ているのか・・・まだなのか、
気を揉んでしまいますが・・・こればかりはきっと
ななちゃんにしかわからないのでしょうね。

ななちゃんとサリバン先生の出逢いが
近い将来(あるいはすでに?)であることを
心から祈っています♪

U野さま、いつも温かいメッセージをありがとうございます。

確かに、人が変わるときというのは「ほかのひと」が契機となるのでしょうね。
七海の「力」をうまく引き出してくれる人があらわれるのを期待しているのですが、「劇的な出会い」というのは、そうそうあるものでもないようで・・。
(まぁ、親の日常的な努力が必要なのは、分かっているんですが、ね・・(^_^;))
だからこそ、「サリバン先生」は偉人伝になっている、とも言えますねぇ~bookup

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