« 2016年3月 | トップページ | 2016年5月 »

2016年4月30日 (土)

『アフターダーク』

七海が退院して1か月。
術後の回復も順調で、5年生になって毎日、元気に登校している。

downwardright 「5年1組になったよ」

20160423a_3


downwardright 頭の上にラバーダック、その上にPLタワーの図@ずれずれだけど!

20160501a_3

こどもは、その日その日をめい一杯生きている、充実して過ごしている、ように見える。小学生くらいまでは、そんな風に過ごしていたのかなぁ~、自分も。

大人の方は、毎日濁流に流されるがごとく、日々の仕事と雑務とルーティンでもう、アップアップである。

あー、ちょっとゆっくり立ち止まりたい。
ゆっくり立ち止まって、ゆっくりものを考えたい。
教える一方のアウトプットではなく、自分の勉強がしたい。

4月からまた新たに共同研究に参加したり、新年度の科研の研究が始まっている。それらの研究に対して、ひとつずつゆっくり考えて、じっくり取り組んでいきたいのだけど、日々の業務と家事に追われて、あっという間の1か月。

ゴールデンウィークに入ってやれやれ一息、と言いたいところだけれど、大してゆっくりできる期間でもない。

普段は、「授業がある」&「七海が家にいない」
連休は、「授業がない」&「七海が家にいる」

これは、総量からすればだいたい同じことで、ゆっくり自分の時間がもてない、ということに変わりはない。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆


そんな日常の中で、ひとときだけ「ゆっくり」できるのは、お風呂から上がって寝るまでの間の、ほんの短い読書の時間。たぶんその時間をもつことで、一日のリセットがなされて、ようやく精神の均衡が保たれているような気がする。

で、現在読んでいるのは、『アフターダーク』@村上春樹

20160430afterdark


全く興味をもてなかった村上春樹だったけど、ブックカフェでたまたま読むことになった 『1Q84』 から、オセロの駒がひっくり返るように、・・・ いや、イメージとしては、ドミノ倒しのドミノが、そこから逆に倒れていくように? 過去の作品へとさかのぼって読むことになってしまっている。

まぁ、それほど 『1Q84』 が私にとってはインパクトの強い作品だったということですが、それに加えて、NHKラジオの 『英語で読む村上春樹』 を聴くに及んで、村上文学に対する理解が深まった、というのもある。

で、『アフターダーク』 というのは、ある深夜から明け方までの間の出来事が書かれている、まぁ、なんとも不思議な中編小説なんですが、この 『アフターダーク』 という題名は、小説の中に出てくる、タカハシという青年が語る、ジャズの曲名から取られている。

タカハシくんは、大学のジャズバンドに入っていて、トロンボーンを吹いているのだけど、なぜトロンボーンを吹くことになったのかというと、

「中学生のときに、中古レコード屋で 『ブルースエット』 っていうジャズのレコードをたまたま買ったんだよ。古い古いLP。どうしてそんなもの買ったのかなあ。思い出せない。ジャズなんてそれまで聴いたこともなかったからさ。でもとにかく、A面の一曲めに 『ファイブスポット・アフターダーク』 っていう曲が入っていて、これがひしひしといいんだ。トロンボーンを吹いてるのがカーティス・フラーだ。初めて聴いたとき、両方の目からうろこがぼろぼろ落ちるような気がしたね。そうだ、これが僕の楽器だって思った。僕とトロンボーン。運命の出会い」 (p.32)

と言う。

ここまで読んだら、『ファイブスポット・アフターダーク』 というのがどんな曲なのか、大変気になる。

それで、YouTube で検索して、「あぁ、聞いたことがあるなぁ」と思うほどの名曲だったということを知るのですが、それ以上に驚かされたのは、そこに書かれてあるコメントの数数でありました。

282あるコメントの、ほぼすべてが 「Murakamiを読んでここへきた」 というもので、ほぼすべてが外国からのコメントなのでした。

「村上春樹は世界中で読まれている」、「村上は世界文学だ」 と言われているのは重々承知しているつもりでいましたが、それをこんな形で、まさに 「目の当たりに」 するとは。

『アフターダーク』 という小説の不思議さと相まって、時空を超えた奇妙な体験でありました。

YouTube: Curtis Fuller - "Five Spot After Dark"

そんなわけで、新緑の光がまぶしいゴールデンウィークですが、ちょっと憂鬱な気分のままに、たぶん過ぎていくであろう予感を残しつつ。

« 2016年3月 | トップページ | 2016年5月 »

2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ