« 新しい酉年の始まり | トップページ | 逃げる2月 »

2017年2月 2日 (木)

さよなら&ありがとう、ジージ

七海のジージであるところの私の父が、先週末に亡くなった。

1月28日の土曜日のお昼過ぎ、お昼ご飯を食べ終えて、そろそろ七海をスイミングに連れて行かなきゃ、と思っているところへ、母から電話がかかってきて、わめき声だけが聞こえる電話に、車で2分の実家にとんで行ったら、トイレでこと切れている父親を発見した。

去年の夏ごろから息切れが激しくなり、階段をのぼることができなくなっていた。10月に大学病院へ行くと、「肺繊維症」と診断され、そのまま入院。鼻から酸素を吸入するチューブをつけて退院してきた。それから3カ月足らずで、あっけなく逝ってしまった。

退院してからは、日に日に症状が悪化して、外に出かけることもできなくなり、入浴もできなくなっていたけど、それでも自分で食事をし、トイレに行けるような状態ではあった。27日(金)には、食べたいというので、生協の漬物と紅生姜を買って持って行き、「あんまり、お酒飲んだらあかんよ。はよ寝なあかんよ。」と、体が弱っても不摂生を続けている父をたしなめて帰ったところだった。

28日も父は、いつものように昼前に起きてきて、トーストを食べ、その後トイレに行ったようだった。なかなかトイレから出てこないな、と母が見に行ったら、・・・ということだった。

私とダンナで、トイレから父を運び出していたら救急隊員が来て、心臓マッサージをしながら救急車で運んで行った。病院に着くと腕に点滴のようなものがつけられていたが、シロート目に見ても、もうトイレで絶命していたのには間違いなく、それにもかかわらず、ここまでの処置をするのかと思うと、感心するやら、複雑な思いやら、ではありました。

家で亡くなると、医者に看取ってもらわない限り、「警察沙汰」になる。

病院に警察官が来て、検視のために父を富田林警察署まで運んで行った。私たちが家に戻ると警官が3人来て、あーでもない、こーでもないと「現場検証」。事件性がないことを確かめるためだが、そういうものだと知らなければ、「私たちがお父さんを殺したっていうんですか!」と、間違って逆上しかねないような現場検証であります。去年同じくお父さんを自宅で亡くした同僚のT村さんから話を聞いていたので、逆上せずにすみましたが。

そういうことがよく分かっていない母は、警官に通帳を見せてくれと言われて驚き、出入金の詳細まで聞かれて憤慨し、しかしその挙句に、警官に「あー、もう、夫の介護はほんとうに大変でした。私はもう限界でしたよ!」と愚痴るものだから、聞いているこちらは、内心ヒヤヒヤ。

警官がこちらを向いて、「聞きにくいことですが、お父さんとお母さんは、・・・」と聞いてきた時は、「えっ? 夫婦仲が良かったかどうか!? って聞かれたら、どうしよう!?」と一瞬ギクッとしましたが、質問は、「初婚どうしかどうか」というものでした。まぁ、それはそれで、「だからどうやねん」ってツッコミたくなる質問ではありましたが。

28日(土)は結局、死亡診断書にあたる死体検案書というのが間に合わず、父(の遺体)は警察署で1泊することに。

29日(日)の朝に、葬儀屋さんと一緒に警察署まで遺体を引き取りに行き、父は自宅に「タッチアンドゴー」で、近くの葬儀会場に運ばれて行きました。通夜のあと、父(の遺体)は葬儀会場でさらに1泊。そして、30日(月)に葬儀。こちらが涙を流す間もなく、あっという間に父は、白い骨と灰を残して、天国に行ってしまいました。

感傷的なことが嫌いな父だから、天国へ行く前に、警察署に1泊、葬儀会場に1泊、というのは、なんとも父らしかったなと思います。自宅に1泊だと、母が心細くて私も実家に泊まらなきゃいけないし、それはそれでちょっと面倒だなぁと思うような娘だったので、そういう娘のために、合理的な父が遠慮してくれたような気がする。「わしはかまへんで。どこに泊まっても。もう死んどるんやしなぁ」てな感じで。

自由気ままな父は、入院中も「牢屋に閉じ込められているみたいや!」と病院を嫌がり、集団行動ができない父は、デイサービスに行っても所在なく、「あんなとこにおっても退屈や!」と文句を言い、勝手気ままな父は、デイサービスでの入浴後に飲むんだと言ってビールを持って行こうとして止められ、母には食事の文句ばかり言って疲労困憊させておりました。

そんな父の介護に、母は精神的・体力的に限界状態。だからと言って私が面倒をみることもできないし、施設なんて父が断固拒否でとんでもないし、今はまだ自力で食べたり、トイレに行けるからいいけど、いよいよそれもできなくなったら、どーしたらいいの、私たちっ!?

という状況のところで、「あと10年は、生きなあかんな!」と言っていた父が、朝ごはんを食べ、トイレで用を足して、ポックリと、もとい、心不全で、あっさりと天国へ旅立って行った。

ありがとう、お父さん。こうして、娘がその死に軽口が叩けるくらい、何の後悔も未練もなく、安らかに穏やかに天国に行ってくれて、私たちは心からお父さんに感謝しています。

好きだった漬物と紅生姜は食べてもらえなかったけど、冥途の土産に持って行ってもらうこともできたし、お父さんにしてあげ残したこともないし、お別れは言えなかったけど、感傷的・儀礼的なことが嫌いだから、あらたまってお礼を述べる機会も、生きている間にはなかったはずだから、これでよかったよね。

最後に買い物に連れて行ってあげた時は、お店の車いすに初めて乗って、「あー、情けない、こんなじいさんになってしもて。」と我が身を嘆いていたから、もうこれ以上、嘆くこともなくて、よかった。

いろんな親子の別れの形があるだろうけれど、こんなにもあっさりと涙もないお別れの形とは、あの父とその娘の私らしいお別れの形なんだと思います。

「あぁ、猫の太郎ちゃんが死んだ時は、動物病院で泣き崩れ、三日三晩泣き続けたなぁ」と思うと、ちょっとばかりお父さん、ごめんなさい。

そう思えば、2006年にこのブログを始めてすぐに、太郎ちゃんは天国に行った。そして2017年、このブログを再開してすぐに、父が天国に行った。再開第2報が父の訃報になろうとは、です。

ということで、「このブログを開始・再開すると何かが起きる!」というジンクスができましたので、これからはそのような事態が起きないように、細々と末永く続けていきたいと思います。

20170130a

享年82。

昭和一ケタ生まれらしく、気分屋で頑固。「自由がええ。なんでも自由にしたらええ!」と言いながら、娘がアフリカに行くと言ったら怒り、夫婦別姓にしていると知ったら激怒し、その矛盾も自己中心的なところも省みず、生きたいように生きた父でした。がさつで、でも裏表のない性格で、一人でドライブに行くのが好きでした。今は天国への道すがら、いろいろな所を眺めて楽しんでいることでしょう。

娘二人と孫二人を残して、まぁ、上々の人生だったのではないですか、お父さん。 さようなら、そして、ありがとうございました、お父さん。

安らかに眠ってください、とは言いません。天国でも好き勝手に暮らし、たまにはお釈迦様に怒られたりして過ごしてくださいね、お父さん。 そのうち、私たちもそちらに行って、またお目にかかりたく思いますので。

« 新しい酉年の始まり | トップページ | 逃げる2月 »

コメント

お悔やみ申し上げます。50過ぎると、身近な人々とのお別れが避けられなります。普段は空気のように当たり前のようなのに、いざその人がいなくなった時の喪失感はたとえようがありません。
でも、先生にはまだお母さんがおられるので、親孝行して下さい。私の場合孝行したくてもそこに父母はなしです。

night お悔やみのコメント、ありがとうございます。

ほんとうに、50を過ぎると、いろんな人とのお別れが続き、「あー、そのうち、自分の番もくるんだなぁ」と、死を身近に感じ始めますね。

「普段は空気のように当たり前」の人が、いざ亡くなると、返って実感できないものですね。まだ、実家に行けば父がいるような気がします。頭では分かっていても、気持ちが、というか、心が、父の死を実感していないのかもしれません。

いつか、「あー、本当に父は死んでしまったのだなぁ」と、心から実感できた時に、涙が流れ、深い喪失感に包まれるのでしょうね。

もう、お父様もお母様も他界されているのですね (って、以前おうかがいしましたよね?) 
「親孝行、したい時に親はなし」とは、本当にそうですね。
おっしゃるように、母親には親孝行したいと思います。

と言っても、うちの場合(というか、一般的に?)、悲しみに暮れるどころか、(いや、表面上は「暮れて」いますが)、自由でのびのびとした「第二の人生」への喜びが隠しきれない、といった感じで、「100歳まで生きるんじゃない!?」と思うほど、元気(になりそう)です sweat02

「女やもめに花がさき」とは、よく言ったものです cherryblossomshine

お父様のご冥福をお祈りいたします。うちのように何か月の入院の末、見送るのも大変でしたが、突然に親を亡くすというのもやはり大変なことだとお察しします。寒さ厳しき折、お疲れがでませんように。

night Nora さま

お悔やみのお言葉、ありがとうございます。
Nora さまのお父様は、長い間入院されていたんですね。
それはそれで、大変でしたよね。
でも、その間に、お別れの心の準備ができて、最後は心残りなく、お見送りできたのではないでしょうか。
うちも、3か月ほどでしたが、それはそれで、心残りなく見送る心の準備はできていたようで、ちょうどいい頃合いに天国にいったね、と母とも言い合っておりました。

今朝、はじめて父の夢を見ました。
生きている父を見て、「あれ、なんで? お父さん、もう死んだんじゃなかったの?」と聞いていました。父は黙っているので、生きているような、死んでいるような、よく分からない夢でした。

お葬式から今に至るまで、涙が流れることもなく、嘆き悲しむこともないのですが、やっぱり無意識的には、まだ父の死を実感していないんだなぁ、と思いました。

「あれ? もう死んでしまったんだっけ?」と、ようやく無意識が実感し始めている、そんな感じです。今後、何かふとした拍子に、いろいろな感情があふれてくるのかもしれませんね。

今朝はまた大雪で、寒さが一層厳しくなってきましたね。
Nora さまもお体にはお気をつけくださいね。
お互い、「死」はまだ遠いものの、「老い」には気をつけていきたいものですね punch

月初めにブログを拝読し、何とお声をおかけしたらよいかと思案しているうちに、日にちが経ってしまいました。この度はお悔やみ申し上げます。ご自宅で亡くなられたとのことで、手続きが色々と大変だったご様子ですが、お父様にとっては慣れ親しんだ自宅で、長い時間苦しむこともなく最期を迎えられたのは、幸せだったのではないでしょうか。テレビや新聞のニュースで、交通事故や通り魔事件である日突然、何の罪もない元気な人が命を奪われてしまうのを毎日のように目にします。そんな場合、ご遺族の心の苦しみや悲しみはいかほどでしょうか…。遺族が誰も憎まず恨まず、安らかな気持ちで故人をお見送りすることができたら、それは遺族にとっても故人にとっても幸せなことなのでしょうね。我が家でも、去年は父が結婚後(約45年間で)初めて入院し、しばらく療養生活を送りました。幸い元気に回復しましたが、親の老いを痛感した1年でした。親孝行しなくちゃ…と言いつつ、いつまでもあちこち好きに遊び回ってばかりの私です。
最後になりましたが、お父様の御冥福をお祈りいたします。シスターJunkoさまも、お疲れが出ませんように。

night シスターのせぽんさま

お悔やみのコメント、ありがとうございます。

ブログで父の逝去の報告もなぁ~、と思っておりましたが、コメントまで思案させてしまったみたいで、恐縮です。

私も、どう書いたものかなぁ、と思っておりましたが、書き始めると、いつもの「軽口」文体になってしまいました。 これがいわゆる、「業」ってやつですね sweat02


> ご自宅で亡くなられたとのことで、手続きが色々と大変だったご様子ですが、お父様にとっては慣れ親しんだ自宅で、長い時間苦しむこともなく最期を迎えられたのは、幸せだったのではないでしょうか。


ほんとうに、そうだったんですよね。
82歳というと、まだもう少し! って感じですが、警察の人が、「大往生だったのではないですか」とおっしゃって、あぁ、ほんとうに「良い」逝き方だったなぁと思っています。

最近は、80%の人が病院で亡くなる時代だそうで、そんな中、自分が建てた大好きな家で亡くなることができて、ほんとうに父は幸せなだったなぁ、と思います。


> テレビや新聞のニュースで、交通事故や通り魔事件である日突然、何の罪もない元気な人が命を奪われてしまうのを毎日のように目にします。そんな場合、ご遺族の心の苦しみや悲しみはいかほどでしょうか…。


これまた、ほんとうに、そうですよね・・・。
ついおとといだったか、信号無視のダンプが歩道に突っ込んできて、2歳児のお母さんが亡くなられるというニュースを聞いて、ほんとうにいたたまれない気持ちになりました・・・。


> 我が家でも、去年は父が結婚後(約45年間で)初めて入院し、しばらく療養生活を送りました。幸い元気に回復しましたが、親の老いを痛感した1年でした。


元気に回復されてよかったです!
うちも、父親は過去に3回くらい入院して、そのたびに、私も「親の老い」を徐々に実感してきました。 初めの入院の時は、こちらもかなり狼狽しましたが、だんだん覚悟ができてくるものですね。


> 親孝行しなくちゃ…と言いつつ、いつまでもあちこち好きに遊び回ってばかりの私です。


いやいや、結局、「親孝行」なんて、目に見えてできるものでもないですからね。
娘が元気に飛び回っている(遊びまわっている?)のが、何より一番の親孝行でしょうね。

先日もモロッコで大活躍!? の娘のご報告に、ご両親さまも喜んでいらっしゃったのではないでしょうか heart02

っていうか、シスター! 異国でのマラソンもすごいですが、ずいぶんスリムになられたのではないですか!? ものすごい努力の成果を感じております rock
Hongera!

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 新しい酉年の始まり | トップページ | 逃げる2月 »

2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ