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2017年9月30日 (土)

現実逃避のプチ「中毒」

夏休み中に会議があって、大学に行った。隣りに座った若い同僚が、「あー、家で論文書いていても、一行書いては、立ち上がり、別のことをして。また机に戻って、一行書いては立ち上がり、他の用事したり、家事をしたり。全然すすまないんですよねぇ。そのかわり、家は妙に片付いて。」と嘆くのを聞いて、「それは、私のことを言っているの!?」と激しく同意してしまった。

夏休みは時間をかけて、ゆっくりと論文に向うことができる時期。他の用事は入れず、一日中家にいて、ひたすら論文執筆に取り組む。そう、ひたすら論文を執筆するのです! と、気合だけは十分なのだけど、これがまぁ、ぜんぜん進まない。

1行書いては消し、消しては書き。黙考。熟考。・・・と言えば、聞こえはいいけれど、結局大して考えも深まらないまま、どうしたものかと考え込み、「あ、コーヒーでもいれよ」と、台所へ行く。

台所へ行くと、キッチンまわりのかたづけをしたり、新聞を読んだり。

で、コーヒーをもってパソコンの前に戻ってきて、また初めから読み直しては、書き直し、書き直しては消し、消しては考え。

気が散りはじめる。ⓔのアイコンをクリックして、メールをチェックする。何もない。そりゃそうだ、さっきパソコンに戻ってきた時に見たばかりだから! ネットサーフィンが始まる。あー、いかん、いかん!

エクスプローラーの右上の×を押して、二度と開かないことを誓い、ワードの画面に戻る。

さらっ、さらっ、さらさらっ、と4行ほど書く。ふー、疲れた。

今度は手元のスマホを見る。スマホの画面はパソコンでエクスプローラーを立ち上げるより、ずっと抵抗が小さい。画面が小さい、ということと、ボタン一つで画面を消せる、ということからでしょうか、パソコンのネットより、罪悪感も3割ほど減。

スマホのボタンを押して、【メルカリ】のアイコンをタッチする。キーワード <プリマヴィスタ> のところをタッチ。ずらずらずらっと並ぶ化粧品の小さな写真に見入る。一画面で12個ほど。上にスクロールして、順番に出品物を見ていく。さっき見た化粧品のあたりで、やめる。

ついさっき、やはり気が散った時点でみた画面にアップされていた出品物から、すでに12個以上が出品されていることになる。めぼしいものがないと、ボタンを押して画面を閉じる。

そう、ちょっとした現実(論文)逃避にはまっているのは、【メルカリ】チェックです。

夏休みの読書感想文が出品されているとか、コンピュータウィルスが売られていた、とか、何かと話題になっているフリマ・アプリ。まぁ、なにごとも、「そんなに話題になってるなら」と試してみるのがよかろうと、ダウンロードしてみました。

特に買うものもないなぁ、と眺めていましたが、ふと自分が使っている化粧品を検索してみると、まぁ、なんと、使いかけのものから新品まで、しかも新品でも値段の安いものがそろっているではありませんか。

<50代の肌のために>、<ー5才肌> という宣伝文句を頼りに愛用している「プリマヴィスタ ディア」シリーズ。ファンデーションのレフィルは、定価2800円、税込みで3024円。

それが、メルカリでは、新品が、送料込みで2500円くらいで出品されている。なんでそんなに安くなるの!? と思いながらも、ちょうどなくなりかけていたので、【購入】ボタンを押す。あとは、郵送されるのを待つばかり。

出品者とのコメントのやりとりがあったり、最後に【受け取り】の評価ボタンを押すなどの手間はあるが、それも「お店の人とレジでのやりとり」程度なので、面倒どころか、ちょっと楽しい。ヤフオクのように、落札されるまでの時間を待たなくてもいいし、送料をプラスして代金を振込んだり、住所をお知らせする手間もいらない。それにスマホの画面で、というのが手軽な感じ。確かによくできている。

それにしても、定価2800円の新品、2500円で出品した人は、メルカリに250円とられて、送料120円負担して、差し引き2130円の売り上げ、ということになるが、それでも元がとれるのか。あのファンデーションは、どこかで2000円くらいで卸されているということなのか?

「買ってみたけど、肌に合わなくて」というのなら1500円くらいで出ていたりする。お店で「テスター」として使われていたものが出ていたりもするけど、販売員が処分をまかされているということか? 「お客さんに買ってもらったものを出品します」というコメントを読みながら、一体どういう「お客さん」で、そのお客さんになぜ、ファンデーションのレフィルを買ってもらうのか? など、疑問は尽きない。

化粧品流通の謎を考えつつも、さらに安い新品が出品されると、目を見張る。あー、2350円で出てる! しかも未開封の新品! めったに出ない値段。あー、この前、2500円で買ったばかりだけど、またすぐなくなるから、買っておこう。【購入】ポチッ。

ところが、そういうお安い品は出品が少ない。少ない上に、出品されたらすぐに売れる。何分前に出品されたかが表示されるので、「えっ、たった8分前に出品されたばかりなのに、もう【SOLD】!?」と驚くことになる。

狙いの「プリマヴィスタ ディア オークル3」の新品未開封レフィルが、2000円で出ていたことがあった。もちろん、見た時にはすでに【SOLD】。14分くらい前だったので、「地団太を踏んで悔しがった」と描写したいくらいの出来事だった。なんで2000円で!? と分析する。見たところ、たぶん、相場をよく観察せず、とりあえず処分したいものを売り切りたい系、と推察。そういう掘り出し物はめったに出ない。

というようなことを、論文執筆に行き詰まり、疲れ、あるいは2、3行書いたあとに、ふとスマホを手に取り、メルカリを開いて、観察するのであります。

だって、マメにチェックしないと、すぐ誰かに買われちゃうから!

こういう倒錯こそが「中毒」の始まりであります。しかも、進まない論文の間隙を埋める絶好の慰めでもあります。

お値打ち品が、見た時にすでに【SOLD】になっている。これがツボなんでしょうね、きっと。

だから、お目当て品が、2222円で出品されているのを見た時は、もうすでに2つもレフィルを手に入れているのに、【購入】ボタンを押さずにいられなくなるのは、やっぱりどう考えても「中毒」ですね。

プリマヴィスタ シリーズには、かわいいコンパクトもあります。白い味気ないコンパクトを使っていた私は、こんなかわいいコンパクトがあるなんて、知らなかった!【購入】ポチッ。 わー、こんなのもあるんだぁ!【購入】ポチッ。 

わー、これもかわいい! しかも、これって、今までにない安さ!【購入】 わー、化粧下地も安い!【購入】 わーい、値下げ交渉したら、150円安くしてくれたぁ~!【購入】

こうして、私の夏休みは、メルカリ中毒のあげくに集まった「戦利品」(下図参照)と、苦労して書き上げた論文1本を残して、本日、終わりとなりました。

たぶん、明日からは「現実逃避」もなくなるので、「中毒」症状も抜けると思います、たぶん。

2017_0930primavista_dea

(下図) レフィルは箱入りで送ってもらったものが2つ、箱なしのが2つ。コンパクトは3つ! もう、当分買いません!(反省をこめて)

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